極普通の日本人である少年。桜田ジュンは今目の前で起こっている事に困惑していた。 「人形が……動いた」  今の時代。人形が動くのは極普通の事である。  しかし、ジュンの言う動くとは、機械的な最初から組み込まれた動きではなく……  不可思議な、自然的な動き。まるで人と変わらない様な、ソレで居て違和感のある動き。  そして、一番目を見張ったのは、薇を巻いた人形が宙に浮き上がった事。  キリキリキリと、薇の動く音が部屋に響き渡る。 「ふう。やっと薇を巻いてくれたなのだわ」  首を軽く回しながらにその動き出した人形は、ジュンを見てそう告げる。 「こんにちわ……あら、時間的にこんばんわか」  窓の外に視線をやりその人形は、挨拶を訂正する。  そんな人形を見てやはりジュンは困惑状態である。  ジュンの様子を見て、ため息をつく人形。ジュンはますます、目の前の人形が人形なのかわからなくなってきた。 「自己紹介でもしておきましょうか。私は、RozenMeiden第五ドール真紅。あぁ、でもRozenMeidenって私嫌いだ」  何を言ってるんだこの人形はっ!? 自分で言っておいて嫌いってなんだよ!! と、叫びたいジュン。 「で? 貴方の名前は?」 「ジュ……」 「そう、ジムなのね」 「違う!! 桜田ジュンだ!」  なんで、量産型MSの名前が出て来るんだよ!! と、ジュンは自分の名前を大声張り上げて言いつつ思う。 「そう。桜田君ね。わかったのだわ。私は適当にそうね……」  と、顎に手を添えて考え込む真紅。 「…………おもいつかないな。なんかいい名前ない? 桜田君や」 「僕に聴くなよ! 真紅がお前の名前なんだろう!?」 「そう。そうなのよ。でも私、あのネグレイト親父からもらった名前好きじゃないのよ。あの子になら呼ばれてもいいのだけど」  と、綺麗な笑顔を浮かべながらに何気に酷い事を言う真紅に、僕はどうしたら良いんだよ! と、ベットを殴りつけた。  あぁもう今日はいったいなんなんだ! 厄日!? 厄日なのか!? と、苛々し始めるジュン。 「あ、そうそう」 「……なんだよ」  ふと思い出したと言う様子で、ぽんっと手を打つ真紅に対して苦々しい表情で対応するジュン。 「その指輪。無理に外そうとしないでね。肉が削げ落ちるから」 「はぁ? ゆび……わ」  指輪? 何言ってるんだ? と、ジュンは自分の手を見れば、  ちょいんっと小さな薔薇をあしらった指輪がいつの間にか装着されていた。  ホワッツ!? と、叫んでしまったジュンに罪はない。 「貴方。まきますか。まきませんか。のメッセージにまきますか。で丸つけただろ?」 「あ、あぁ……この指輪なんだよ?」 「ん、で、私の薇まいたのだわね?」 「あぁ。だからこの指輪」 「うん。契約の証って言うヤツよ。そうねぇ。わかりやすくいうと……」 「呪いの契約」 「はずせぇええ!!!」  真紅の言葉に、素直にそう叫んでしまったジュンにやっぱり罪はない。  誰だって唐突に呪いの契約だなんていわれたら、殆どがジュンの様な反応を示すだろう。 「一応契約してくれないかしら?」 「嫌だ!!」 「お願いよ。土下座してくれっていうなら土下座でもなんでもするわ」 「なんでお前、土下座なんてしってんだよ!!」  見た目が、どう見ても欧米諸国の人形なのに日本独特の文化である土下座を知ってる真紅に正直な疑問をぶつける。 「………」  そんなジュンを尻目に、真紅は、真剣な面持ちで正座をしてそして土下座する。 「お願い。契約して頂戴」 「お、おいぃい?! わ、わかったから土下座するな!!!」  人形とはいえ少女の姿で土下座されるのは正直気分の良いモノではない。 「では、契約をして欲しいのだわ」 「わ、わかった……あ……なぁ、これ契約したからってなにかあるのか?」  たとえが呪いの契約と言われた事を思い出し、幾分か頭が冷静さを取り戻すジュン。 「具体的に言うなら、私と桜田君が魔法的に繋がるだけよ」 「魔法的ってなんだよ……」 「分かりやすい表現で言ってみたのだけども……」  ほら、貴方の年代ならファンタジーなRPGとかに触れてるでしょう? と、真紅は言う。  お前本当にどういう人形なんだよ。と、ジュンはあーっと天井を仰ぎ見た。 「どうやればいいんだ?」 「指輪に口付けしてもらえれば、それで終わり」  こうか? と、指輪を口元に持ってきて軽く口付け。  ソレに呼応して、何処からか現れた薔薇の花びらが小さく舞う。 「契約完了よ。ごめんなさいな。ほんの少しの間だけだから」 「ほんの少しってなんだよ。ってかなんでお前は動くんだよ? あと、RozenMeidenってなんだよ?」  契約と言うものだから、なにかこう吸い取られるものがあったりなんだり。と予想していたが、  余りに簡単でなんら違和感すらない無い為に、逆に冷静になったジュンは、今まで話していた事で疑問に思っていた事が  一斉に脳みそを駆け巡り、結果真紅にマシンガントークの如くに尋ねる事になった。  概ねジュンに全てを説明した後で、ジュンは馬鹿げている。と、率直な感想を告げた。 「だわねぇ……桜田君もわかってくれるかい?」 「子どもの僕でもわかるぞ。どれだけ馬鹿げた事してるのかって」 「いい子ね。桜田君は」 「子ども扱いすんな」 「あら、さっき自分で子どものって言ってたじゃない」 「………でも、子ども扱いすんな」  わかったわ。と、笑う真紅。そんな真紅を見て、ふと気がつくジュン。 「……あの海苔にどうやって説明すればいいんだ?」  ジュンにとって、余計なお世話ばかりをする姉にどう説明すればいいんだ。と、ジュンは考えた。  いい案が思いつかない。 「あら、別にただの人形だった。でいいんじゃないかしら。私は、ここから出ないわ。  桜田君が、邪魔だ。と、言うならnのフィールドにでも篭るからな」 「……それでいいか」 「まぁ、邪魔だったら言ってくれるといいよ。ほら、若い男の子だもの性処理もす」 「わー!! 言わなくていい!!」 「なんだったら手伝おうか?」 「黙れ!」  必死な表情でそう言い放つジュンに、くすくすと笑う真紅。  冗談として言ったのだが、初心い反応を見て若いなぁ。と、老けた考えをする。  まぁ、真紅としても中の人は男なので、手伝ってくれといったら殴っていたが……  ただ、長い間寝ていた為なのかどうかはわからないが、体が擬似とはいえ少女のモノである為に、  発想が、やや女の子よりになってきている事に、少々戸惑いを隠せないで居た。  表情には、無論出さないが……  それは、さておき。  RozenMeiden第五ドール真紅は、今此処に目覚めと契約を果たしたのだった。 「なぁ、桜田君。まじで、なんかいい名前ない?」 「なんで僕に聞くんだよ!」 「なんかこう、中二病みたいな名前を連想してくれると思って」 「お前、本当に欧米生まれか?! なんで、そんな事しってんだよ!?」 「それは、まぁ……淑女の嗜み?」 「そんな嗜み捨ててしまえ!!」  あとがき  水銀燈と、ジャンクッ!! でお別れしてないから。ブーさん襲ってきません。  次回から、どうするべきか悩みます。原作をみながら。  とりあえずきらきーに絆っクルを食らわせたい。とは、考えている。